リフォームについて。

 日本は欧米に比べて建物の寿命が短い、とよく言われています。住宅の建て替え周期は、日本はイギリスの4分の1以下です。地震が多いとか、建築法規の違いなどの理由もありますが、寿命の短さをつくりだしている最大の理由は、古くなったら壊して建てる、古いものより新しいものがいい、という考え方がいつの間にか当たり前になってしまったからでしょう。古い建物を何とか活かすことを前提に、それでもだめなら建て替える、という考え方は、日本ではまだ定着していません。

 

 しかし最近になって、増加する一方の産業廃棄物に対する環境問題や、使い捨てのように建物を建て替えることへの疑問、また法規的、資金的な理由で建て替えが難しいケースも増えて、いまある建物を何とかできないか、という傾向が高まってきました。それには「エコブーム」の影響もあるでしょう。

 

 そして「コンバージョン」「リノベーション」といった、単なる改装やリフォームからさらに踏み込んだ考え方が、注目されるようになってきています。これらは、従来の老朽改装とは違い「その建物に何らかの付加価値が付くような改装」を意味します。用途を変えたり(コンバージョン)、特色をもたせることで、古い建物の活力を取り戻し(リノベーション)、再利用していこうというものです。新築にはできないことが、できるかもしれない面白さに注目する人も多いです。

 

 一方で、今の住まいをリフォームしたい、あえて中古マンションを買ってリフォームして住みたい、という人が増えています。そこには、新築は無理、という消極的な理由だけではなく、リフォームそのものに対する積極的な動機や具体的な要求があります。現在リフォームの需要は急激に増えてきています。

 

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