ハウスメーカーは工務店より高い?
ハウスメーカーの住宅と工務店の住宅の決定的な違いは、メーカーの場合住宅は「商品」ということです。家を「建てる」のではなく、「買う」ようになったのは、こうした商品化住宅が登場したからです。自動車やテレビと同じように、工業製品になってしまったのです。ですので、あらかじめ計画した規格にのっとって製品化され、それに値段をつけています。
しかし、住宅というものは、敷地の広さや形など、条件がさまざまです。そのため、メーカーの規格品をそっくりそのまま買えば済むかというと、そうはいきません。条件にあわせて直すことが必要になります。また、自分の好みに合わせて変更したいこともあるでしょう。そうしたことが、ハウスメーカーの決めた範囲の中で実現できないとなると、それは規格外ということになり、料金が加算されます。また、商品ですので宣伝(モデルハウスの運営も含む)や新聞、テレビの莫大な広告にお金がかかっています。その分費用も、住宅の値段に組み込まれてしまうわけです。
一方、工務店の場合は、オーダーメイドが前提です。規格品を軸にして足したり引いたりするのではなく、予算とさまざまな条件、そして希望を聞いた上で、どんな住宅をつくっていくかという話がはじまります。できることとできないことがあるのは、ハウスメーカーでも工務店でも同じですが、それを左右するのが必ずしも金額だけではない、というところが工務店の建てる住宅です。予算が少ないなら少ないなりに、そのなかでいいものをつくろうと工夫してくれます。逆に予算があるなら、お金がかかっていると納得するものをつくります。
それは工務店は大工の子孫で、職人だからです。商売だけれども、何より金儲けを目的に仕事をしていません。つくることが好きだという気持ちを基本にもっているからです。
また、工務店は広告宣伝費をかけていませんから、予算は純粋にその住宅にむけられます。例えば同じ3千万円の家でも、ハウスメーカーと工務店ではその内容が違ってくるのはそのためです。もちろん、すべての工務店がそうとは限りませんので、工務店を選ぶことが重要になってきます。何軒か実際に会ってお話をすることをおすすめします。