設計するのは誰? 設計料はかかる?
かつて、家を建てるのは大工と相場は決まっていました。大工は諸職の親玉であり、設計者でもありました。設計と施行を分ける考えは、明治時代になって外国から入ってきたもので、日本では設計施工は一体でした。そうした歴史があるので、大工の流れを組む工務店の多くは自社で設計施工をします。
建築家が設計し、工務店が施行する住宅も最近は多くなりました。この場合は、建築家を選ぶのは建主ですが、なかには建築家を紹介してくれる工務店もあります。
建築家に設計を依頼すると、設計料をとられて高くつくのでは?と思っている人もいますが、限られた予算のなかで、全体でどうやりくりするか、きちんとした建築家であり工務店であれば、そうしたことを含めて詳細な見積もりを出してくれます(ただ「一式」と書いて済ますようなところは要注意です)。事前に確認しながら進められます。ですから建築家を選ぶ、というのも家を建てる際には大切なことです。どんな住宅を設計してくれるのか、それが自分の望む暮らしにあっているかなど、何人か候補をあげて検討してみましょう。
ハウスメーカーの住宅は、メーカーのなかに企画開発をする部署があり、そこで設計したものが商品として市場にでてきます。そして、実際建てるにあたって、敷地にあわせて間取りを変えたり、仕様を変更したりするのは、担当者が建主と打ち合わせながら進めていきます。設計料は無料ではありません。見積もりを明示するところが大半です。メーカーによっては、無料というところもありますが、それは設計料という形で記載しないだけで、どこかに含まれているとおもったほうがいいと思います。
住宅の場合、設計施工が一体で当たり前だった日本では、設計に対してお金を払うという習慣が希薄で、特別なことのように考えがちですが、工務店で建てるにしろ、ハウスメーカーで建てるにしろ、設計料は必要と考えるべきです。