住宅の紙壁紙と布壁紙について
材料単価を比べてみると、紙壁紙や布壁紙は、ビニールクロスと同等のものからあります。施行費用はビニールクロスを張るときと同じ、もしくは多少高くなる程度です。
天然材料が原料の紙壁紙には、和紙をはじめ、珪藻土やケナフ、コルク、桐を使っているものなどがあります。布壁紙には、麻やオーガニックコットン、ケナフを材料にして、織り込んだものがあります。
ビニールクロスは、燃えるときに有害ガスをだす、材料を柔らかくして、施行しやすくするために入れる可塑剤が身体に害を及ぼすなど、その問題はこれまで何度も取り上げられていますが、壁紙市場は変わらず、今もビニールクロスが約9割を占めています。そのため、ビニールクロスしか貼ったことがない職人が圧倒的に多いです。いざ紙壁紙や布壁紙を貼ることになったときに、ビニールクロスの施行のしやすさに慣れているため、ビニールクロスと同じ様に扱えない紙壁紙や布壁紙は、敬遠されてしまいそうです。例えば、ビニールクロス貼りを1日に5件こなしていた職人が、紙壁紙や布壁紙となると、慣れていないことも加わり、4軒になってしまい、手間賃が高くつくといったことがあるそうです。また突合せ接合ができないので、重ね代が目立ち、腕の善し悪しがはっきり出ることもあり、貼ることを嫌がる職人もいるようです。