珪藻土左官材について

珪藻土左官材には、骨材、顔料のほか、さまざまな物質が含まれます。つなぎとして樹脂が使われていることも多く、この量が多いと珪藻土の調湿機能が鈍ります。「珪藻土入り」なら何でもいいわけではなく、珪藻土自体の質と量によっても調湿などの効果は大きく変わるのです。

 

珪藻土には、調湿、断熱、保温、消臭、化学物質の分解などの効果があります。一番注目されているのは調湿機能です。調湿とは、湿気を吸うだけでなく、湿度が低くなると吸った湿気を放出することです。珪藻土を左官材に混ぜて使う最大の目的は、調湿機能を生かして住宅の結露を防止することでしょう。

 

しかし、珪藻土が流行し、スプーン1杯入れただけで「珪藻土入り」をうたう商品もあると言います。これでは効果はないに等しいです。

 

量ばかりではなく、珪藻土そのものにも品質の善し悪しがあります。質の悪い珪藻土がたくさん入っていても、たいした効果は期待できません。

 

珪藻土にはどんな種類があるのか?そのことについてご紹介します。珪藻とは、単細胞の植物性プランクトンで、ご存知のとおり「藻」です。大きく海水性と淡水性に分かれます。形も円筒状のものや細長いものなど、何万種類もあります。

 

いずれの珪藻も、数えられないほどの孔があいた珪酸質(ガラス質)の殻に覆われています。珪藻の死骸が海底や湖底にたまり、何百万年もたって珪藻土ができました。面白いことに、珪藻の殻の部分は珪藻土に、身の部分は原油になったといいます。世界各地に珪藻土はあって、日本では北海道や秋田県、石川県七尾、大分などが産地として知られています。採掘する地域によって珪藻土の性質は違うし、同じ地域でも地層によって異なります。

 

べつに、珪藻土を精製する課程でも、調湿機能に違いがあります。「自然乾燥品」は、採掘した珪藻土を乾燥しただけのもので、鉄やアルミなど様々な不純物が付着しています。土や火山灰なども含んでいます。品質も安定せず、孔にゴミが詰まっていて、調湿機能はあまりありません。

 

そのため、自然乾燥品を焼いて不純物を除去します。この「焼成品」は、鉄分が表面に浮き出てピンクがかった色をしています。さらに、この焼成品に食塩、ソーダ灰を加えて1000度以上で焼き、純度を高めた「融剤添加焼成品」(白色珪藻土)もあります。

 

左官材には、焼成品や白色珪藻土などの精製品が使われています。どんな加工をした珪藻土を使うかは、商品によって違います。どれが一番左官材に適しているかも、各社で考えが分かれるようです。

 

さて、焼成した珪藻土自体は、サラサラした繊細な粉で、これだけを水で練っても左官材としては使えません。そこで、強度があって割れない左官材にするために、各社様々な材料を混ぜています。白色セメントや石灰、消石灰、パーライト、鉱物やセルロースなどです。仕上の風合いを出すために骨材や顔料も入れます。メーカーの技術や、値段、仕上の表情によって混ぜるものはまちまちですが、多くの場合、つなぎとして樹脂を使います。注意すべきは樹脂の「量」です。量が多いと、珪藻土の孔をふさいでしまい、調湿機能が鈍ったり、全くなくなってしまうこともあります。

 

しかし、なかには天然材のつなぎを用いるなど、化学的な樹脂を使わない左官材もあります。といっても樹脂入りのものが全て悪いと言うわけではありません。珪藻土の機能が生かされていればいいのです。

 

左官材の内容成分は、メーカーによって公開しているところ、企業秘密にしているところがあります。公開していても、その表記方法は統一されてはいません。また、調湿効果などのデータも、実験方法や条件が違うので、客観的に比較することは難しいでしょう。実際の施行した住宅を見る、住人の感想を聞くなどすることが望ましいと言えます。あるメーカーでは調湿効果の高い珪藻土入左官材を見分けるひとつとして、「材料の袋を持った時に軽いかどうか」「塗り見本に霧を吹きかけたとき、瞬時に水を吸うか」が目安になるといっています。

 

塗る場所によって、必要となる吸放湿力は違うので、塗る目的と塗る場所、値段のバランスを総合的に考えて選ぶことが大切だと思います。

 

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