自然系塗料はすべて無害か?
自然系といっている塗料には、天然ではない成分が含まれているものもあります。しかし、必ずしもそれが人体に害になるというわけではありません。含まれている分量や、使う場所の状況によっては、害をひきおこす可能性があるということです。また天然成分でも、害がないとは言い切れません。まれに体質に合わない人もいるからです。
自然系塗料を名乗っていても、ものによっては全てが天然成分とは限りません。天然にこだわって厳密に塗料を選びたいならば、メーカーに成分を問い合わせてもいいでしょう。
また、天然成分のなかにも、アレルギーの原因になるものがあります。たとえば、科学塗料に含まれるキシレン、トルエンは、臭いや害があるので、それに代わるものとして、自然系塗料では天然成分のオレンジシトラールやガムテレピンが、使われています。性質としては、トルエンやキシレンと同じですが、昔からあるものなので、人間の体が慣れています。ところが、自然系塗料先進国のドイツでは、オレンジシトラールやガムテレピンが原因で、アレルギー症状を引き起こす人が現れてきています。永く使い続けてきたがゆえの、弊害といえるでしょう。それで最近は、ドイツの塗料はこれらを含まない水性のものも多くなってきているようです。
この他にもアレルギー症状に関していえば、何に反応するかは人それぞれです(もちろん何にも反応しない人もいます)。あの人は大丈夫だったものも、自分には合わないこともあります。アレルギー症状をもっていて、それを引き起こさないために自然系塗料を使いたいなら、予め成分を確認し、体質と合うかどうかを調べてからにしたほうがいいかもしれません。