体や環境にも本当に安全か?
グラスウールやロックウールと違い、肌に触れた時にチクチクせず、かゆみもありません。また、吸い込んでも自然素材なので、害はありません。だから施行する人も、安心して使えます。環境の点でも、羊毛やコルクなど原料は何度でも生産できるうえ、製造するときのエネルギーが少なくすみます。また、燃やしても有毒ガスが出ることはなく、埋めても土に戻るので、環境負荷が非常に小さいです。
なかには、防虫加工や不燃加工処理をしている材料もあるので説明しておきます。
羊毛断熱材には、防虫加工がしてあります。メーカーによって、その手法はさまざまですが、ホウ酸をはじめとした、揮発性、蒸発性のない安全な防虫剤を使っています。いずれも、殺虫効果ではなく、忌引避効果のあるものばかりです。羊毛を食べる代表的な虫である蛾が、断熱材を使うような密閉した空間に、卵を産む可能性は非常に低いので、心配しなくてもいいそうです。そして羊毛には、化学物質を吸着して、分解する働きがあります。そのため、人体に無害なだけでなく、空気も浄化してくれます。
炭化コルク断熱材は、炭化コルク自体が虫の忌避成分を含んでいるので、添加物は一切なく、燃焼時にダイオキシンなどの有毒ガスは発生しません。それでいながら、ホルムアルデヒドなどを吸着する効果があります。
亜麻繊維断熱材は、接着剤にじゃがいものでんぷん糊を使い、害虫や細菌類の防虫剤として、ホウ酸を使用しています。亜麻繊維自体にも蛾や蟻を寄せ付けない特徴があります。
木質繊維系断熱材も、コーンスターチやセメントがつなぎとして入っているほか、身体に害があるものは使っていません。また、杉の樹皮自体に防虫効果があるので、防虫剤も添加していません。化学物質を吸着して、空気を浄化する作用もあります。