羊毛断熱材などは施工は大変か?
施工の手間は、羊毛などの断熱材もグラスウールやロックウールと同等と考えていいでしょう。羊毛、亜麻繊維は非常に軽いうえ、マット状、またはロール状になっています。炭化コルク、木質繊維系はボード状で、運搬しやすいのが特徴です。
羊毛断熱材は、タッカーで留めて取り付けられますが、室内側にある材料(壁であれば石膏ボードなど)との間に、隙間を作らないように注意する必要があります。また、床下に設置する場合は、タッカー留めだけだと沈下する恐れがあるので、根太と根太の間に受け木を入れると安心でしょう。
炭化コルク断熱材は、軽量で、のこぎりで簡単に切断できるので、施行性に優れています。ボード状なので、外張り断熱にも適します。床下に設置する時は、自重で中央部が垂れ下がることがあるので、根太と根太の間に受け木を設けると良いです。炭化コルクに水がつくと、水が黒ずみます。この水自体には、何の問題もありませんが、接する木部にシミがついてしまうので、注意が必要です。
亜麻繊維も、特別な施行方法はなく、羊毛断熱材と同様にタッカーで留めて施行できます。
木質繊維系の断熱材は、いずれもボード状になっているので、施行しやすいです。
自然材料を使った断熱材は、断熱性能は高く、その施行性も従来の断熱材と同じと言えます。気になるのは値段です。羊毛断熱材や亜麻繊維、木質系断熱材はグラスウールと同様で安いものからあります。一方で、炭化コルク断熱材は非常に高価で、高級建材と言えます。
実際に使われている断熱材は、圧倒的にグラスウールやロックウール、発砲プラスチック系断熱材です。しかし、「外断熱」が注目されるなど、断熱方法や断熱材にも興味は集まっています。自然材料を使った断熱材もこれから伸びていくことでしょう。